第8回(2025年度)
米満 泰彦 氏
バラといえば「洋物」風に聞こえるが、日本とのかかわりは古く深い。明治期以降西欧園芸種のバラが急速に普及し愛好されるようになった素地は既にあったと言える。 本展では、バラを主なモチーフとする米満泰彦氏の作品を取上げる。米満絵画の主題は「光と影の中で」であるが、ここにある光と影は、まぎれもなく日本のものである。光は適度な湿り気を帯びた空間で複雑に交錯し反映し、諧調豊かな翳りを生み出している。 写真と見紛う現代のリアリズム絵画とも、植物画とも一線を画し、独特の現実感を醸し出すその絵画世界は、バラを通じて表現した画家の自画像というより、この国の風土に咲いたバラに同化した画家が表現するバラの自画像のように映る。